乳幼児期における親子の食器共有について |
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親から子どもへのう蝕原因菌の感染を予防するために、スプーンやコップなどの食器の共有を避けるようにとの情報が以前ありました。 しかし2023年の今回、日本口腔衛生学会は食器の共有をしないことでう蝕予防できるとい うことの科学的根拠は必ずしも強いものではないとの見解を示しました。 要点は以下の3つとなります。 @親からの口腔細菌感染は食器の共有の前から起こっている 生後 4 か月に母親の口腔細菌が子どもに伝播していることが確認されていることを挙げ、日々の親子のスキンシップを通して子どもは親の唾液に接触しており、食器の共有を避けるなどの方法で口腔細菌の感染を防ぐことを気にしすぎる必要はないとの事。 Aう蝕の原因菌は、ミュータンスレンサ球菌だけではない 親のミュータンスレンサ球菌が子どもに感染することは複数の研究で確認されていますが、口 腔内には数百種以上(500種類ほど)の細菌が存在し、ミュータンスレンサ球菌だけでなく多くの口腔細菌が酸を産生 し、う蝕の原因となりますので、ミュータンス連鎖球菌だけがう蝕の原因菌ではないとコメントしております。 B食器の共有に気を付けていても、子どものう蝕に差はなかった う蝕に関する複数の要因を調べた日本の研究でも、3 歳児において親との食器共有とう蝕との関連性は認められておらず、逆に親の唾液に触れることて、子供のアレルギーリスクが低下するとの報告もあります。 子どものう蝕予防のために 親から子どもに口腔細菌が伝播したとしても ・砂糖の摂取を控える ・親が毎日仕上げみがきを行って歯垢を除去する ・フッ化物を利用する ことでう蝕を予防することができるとしています。 小児歯科はこちら 予防歯科はこちら 最後まで読んで頂きありがとうございました。 |
2023年12月8日(金) |
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