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口腔機能低下症

オーラルフレイルについて

オーラルフレイルは、 口腔の機能の衰えが口や全身の機能を低下させてしまう状態のことです。 口腔の(オーラル)とフレイル(虚弱)という2つの言葉を掛け合わせた言葉で、老化のはじまりを示す重要なサインとなります。 口腔環境の変化、歯の数の変化、心身の予備能力低下などが重なり、食べる機能「咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)」障害へ陥る可能性があります。日本歯科医師会も「8020運動」に加え、オーラルフレイルの対策を推進しています。





口腔機能低下症の症状

口腔機能低下症はオーラルフレイルの中で、加齢や疾患など様々な要因によって引き起こされ、以下の症状が起こることがあります。

このような症状はありませんか
・口や舌に汚れがついている
・口の中が乾くようになった
・活舌が悪くなった
・硬いものが食べにくくなった
・食べこぼしをするようになった
・食べたものが口に残るようになった
・薬を飲みにくくなった
・食事の時むせるようになった

この状態を放置すると、食事が困難になり、栄養障害や運動障害が起き、全身の健康に影響を及ぼします。特にご高齢の方は要介護状態に進行する可能性があります。


【出典】「口腔機能低下症」を診断しましょう 日本老年歯科医学会


口腔衛生状態不良 
舌苔の付着度を見ることで、お口の中の清潔度を検査します。 
舌苔が増加すると口臭の原因になったり、味や熱を感じにくくなります。口腔衛生状態の不良は誤嚥性肺炎の原因となりますので、歯科医師・歯科衛生士の口腔管理が必要となります。
 
セルフケア 
・舌ブラシを使い汚れを落とす 
・歯ブラシと合わせて歯間ブラシ、フロスを使用する 
・入れ歯を清潔に保つ 

口腔乾燥 
お口の中の水分量を検査します。 
 口腔水分計による測定を行い、あわせて多剤併用や内服薬の副作用による口腔乾燥がないか確認をする。 

セルフケア 
・こまめに水分補給をする 
・唾液腺マッサージを行う 
・お口の保湿剤や含嗽材を使用する 
・口腔体操を行う 

咬合力低下 
残存歯数などで噛む力(咬合力)を測定します。 
噛む力が低下すると摂取食品の多様性の低下が起きます。噛みやすいおかゆやうどんなどの炭水化物の摂取量増加して栄養バランスの低下につながり、全身の筋力低下につながることがあります。
 
セルフケア 
・むし歯や歯周病があれば治療し、咬み合わせを治す 
・入れ歯が合っているか歯科医院で確認をする 
・歯ごたえのあるものを食べる 
・ガムやグミゼリーを噛む 

口唇舌運動機能低下 
「パ」「タ」「カ」をそれぞれ5秒間発音し、口唇や舌の動きを測定します。 
口唇や舌の機能低下は、コミュニケーション能力の低下や社会性の低下につながることがあります
 
セルフケア 
・会話の機会を増やす 
・早口言葉やパタカラ体操を行う 
・口唇や舌の運動訓練を行う 
・無意味音音節連鎖訓練を行う 

低舌圧 
舌の力(舌圧)を測定します。 

セルフケア 
・舌をよく動かすようにする 
・口腔筋機能療法を行う 
・舌の筋力を鍛える専用の訓練器具を使用する 

咀嚼機能低下 
グミゼリーを噛んでもらい咀嚼能力を検査します。 

セルフケア 
・むし歯や歯周病などがあれば治療して咀嚼機能を改善する 
・食事の際は1口に20~30回程度よく噛んで食べる 
・ガムやグミゼリーを用いた咀嚼機能のトレーニングを行う 

嚥下機能低下 
嚥下機能を調べるための質問表にお答えいただきます 

セルフケア 
・口腔筋機能療法を行う 
・うがいトレーニングを行い飲み込みの力を鍛える 





まとめ

口腔機能の低下は、本人が気付きにくいことが特徴です。悪くなる前に、口腔機能のトレーニングやリハビリテーションを歯科医院で行うことで、口腔機能の向上や維持に役立つことが可能となります。

ご高齢の方が口腔機能を維持することは、健康な食生活を送るだけでなく、会話や社会参加などの日常生活を送るための重要な要素ですので、症状があり気になる方はお気軽にご相談ください。



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