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予防歯科


予防歯科とは?

予防歯科とは、むし歯などになってから治療するのではなく、そうなる前に予防を重視して行うことです。歯科医院で行うプロケアと、ご自身で行うセルフケアの両方で予防歯科を取り組むことが重要です。また、生涯を通じて健康な歯でいるため、歯科医院での定期検診が大切となります。

予防歯科のポイント

・歯垢をしっかり落とす
・細菌を増やさない
・セルフケアを身につける
・フッ素の使用

歯垢をしっかり落とす

歯垢
歯垢(プラーク)とは歯の表面に付着している細菌のかたまりのことで、食べ物の残りかすを栄養としてます。食後8時間ほどで歯垢ができるといわれ、1mgの中におよそ1億個もの細菌が存在しています。放置して時間がたつと歯石に変わり、むし歯や歯周病、口臭の原因になってしまいます。歯石を除去し、歯垢をしっかりと落とすことが予防歯科では大切となります。
歯石除去
歯垢は時間がたつと歯石になります。歯石は表面がざらざらしているので、歯垢をさらにつきやすくしてしまいます。歯垢がつきにくい状態にするため歯石を除去し、この悪循環をなくしていきます。
PMTC
PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、専門家による機械的な歯面清掃のことです。歯科衛生士が器具とフッ化物入りペーストを用いて、すべての歯面のプラークを機械的に除去する方法です。よく磨いているつもりでも、歯ブラシが届きにくい部位や、プラークが残りやすい場所ができてしまいます。新たなむし歯や歯周病の進行を防ぐために、専門の歯科衛生士が専用の器具を使い徹底的にお掃除します。

細菌を増やさない

細菌を増やさない
お口の中の細菌は就寝中に増殖していきます。唾液には細菌などを洗い流す自浄作用があるのですが、就寝中は唾液の分泌が少なくなり、むし歯や歯周病を引き起こす細菌が増殖してしまうのです。就寝前にはブラッシングを十分行い、細菌を増やさないことが大切です。
感染の窓
感染の窓とは、むし歯菌に感染する可能性が高まる約19か月から31か月の期間のことです。主にご家族のスキンシップからお子様のお口の中へむし歯菌が感染し、むし歯リスクを高めてしまいます。この時期に感染の原因となるスキンシップを控えるのも1つの方法ですが、ご家族のお口の健康状態を改善することも重要になります。

セルフケアを身につける


当院では、定期的なクリーニングだけでなく、セルフケアのアドバイスも行っております。きちんと磨いているつもりでも、プラークを落としきれていない場合があります。歯の磨き残しがあるとむし歯や歯周病を引き起こしてしまうため、適切な歯の磨き方や歯ブラシ・歯間ブラシなどの選び方もお伝えします。歯の状態は年齢と共に変化してきますので、患者様のお口の変化や特徴に合わせてアドバイスをいたしますのでお気軽にご相談ください。

フッ素の使用

フッ素とはミネラルの一種で自然界に多く存在し、歯や骨にとって必須な栄養素です。フッ素には歯の再石灰化を促進したり、歯質を強化したり、むし歯の原因となるさ酸の生成を抑制したりする働きがあります。フッ素塗布を複数回行うとより効果が期待できるため、毎日のブラッシング時にフッ素配合の歯磨き粉を使用することは有効な手段となります。

小児予防歯科

むし歯にならないための予防治療

神戸歯科医院ではお子様の歯を極力削らないようにと考えています。そのためには、むし歯にならないよう歯の予防をしていくことが大切であると考えます。ブラッシング指導を始め、お子様の歯の成長をお手伝い致しますので、ご家庭での心配事や悩み事がありましたらご相談ください。

お子様の予防歯科のポイント

正しいブラッシングの習得
小さなお子様は歯を磨くことに対して嫌がらない工夫をしてあげることが大切です。乳歯にむし歯があると、歯並びや後に生えてくる永久歯に影響を及ぼしてしまうこともあります。お子様の年齢に合わせたブラッシング方法をお伝えし、習得していただくことが大切です。
歯垢をしっかり落とす
乳歯はむし歯になりやすく、食生活やブラッシングの成果が大きく影響します。当院では定期的にむし歯の原因となる歯垢の除去を行うことで、むし歯予防や早期発見に努めています。痛くないですからお子様も安心して通っていただけます。
フッ素塗布
むし歯になりやすい乳歯や生えて間もない永久歯を強くし、むし歯になりにくい環境をつくることが期待できます。また、むし歯になりかけた部分の自然修復(再石灰化)を促進します。
シーラント
シーラントとは、歯垢がたまりやすくむし歯になりやすい奥歯の溝に、フッ素を含んだ白いプラスチックで溝を埋めてむし歯を予防する方法です。特にむし歯になりやすい6才臼歯はシーラントによるむし歯予防処置をおすすめいたします。

定期検診


むし歯や歯周病から歯を守り、将来自分の歯を多く残すためには、毎日のセルフケアと歯科医院での定期検診が大切です。当院ではお口のトラブルを未然に防ぎ、治療後の症状の安定維持のため、3ヵ月に一度のメンテナンスをおすすめしております。

定期検診のメリット

・むし歯や歯周病になるリスクを軽減できる。
・むし歯ができてしまった場合でも、早期の治療が可能。
・将来自分の歯を少しでも多く残すことができる

定期検診で行う治療

・むし歯や歯周病のチェック
・ブラッシング指導(必要に応じて)
・歯石・歯垢の除去
・生活習慣やお口の変化に対するアドバイス
・フッ素塗布(必要に応じて)

予防歯科のメリット

・むし歯や歯周病を予防できる
・健康な自分の歯を維持できる
・健康寿命が伸びる
・身体の病気を予防できる
・早期発見で痛くなる前に治療ができる

むし歯や歯周病を予防できる
むし歯で歯を削り、治療するごとに歯の寿命は短くなってきます。歯周病は痛みがなく症状が進行することがあるため、症状が出る頃には悪化してしまっていることがあります。予防歯科では食生活や生活習慣を改善し、定期的に歯科医院に来院することで、むし歯にならない、歯周病が進行しにくい状態を作り維持していくことを目指していきます。

健康な自分の歯を維持できる
日本人が歯を失う原因の上位がむし歯と歯周病です。歯を失ってしまったら食べられるものが限られてしまい、食事を楽しむことも難しくなります。食事は生活の質を維持・向上させるうえで重要な要素であり、お体の健康にも大きく影響します。適切に予防歯科をしていくことで大切な歯を失うリスクを軽減させることができます。
健康寿命が伸びる
近年では、歯の残存本数が健康寿命に影響するといわれていて、健康な歯を長く維持していくことが大切です。超高齢社会や人生100年時代を迎えるにあたって予防歯科の重要性が高まっています。

早期発見で痛くなる前に治療ができる
予防歯科によって、むし歯や歯周病の予防と早期発見が可能になり、痛みを生じる前に治療を受けられます。初期のむし歯や軽度の歯周病は、痛くないあるいはさほど痛くない治療ですむことがほとんどです。むし歯による痛みや治療による痛みが苦手な方は、日頃から予防歯科の実践をおすすめします。
全身の病気予防につながる
歯周病はお口のトラブルだけではなく、全身の病気にも影響を与えることがあります。むし歯や歯周病を予防することで、全身の病気予防にもつながります。

予防歯科のデメリット

デメリットを1つ挙げるとするならば、定期検診を受ける際に必要となる時間と費用です。
しかし進行したむし歯や歯周病の治療費に比べると費用を最小限に抑えられます。むし歯や歯周病などが初期段階で見つかれば、治療費だけではなく治療に要する期間も短縮することができます。また、予防歯科は全身の病気の予防にもなり、健康維持につながるため生涯にかかる医療費を抑えられると考えられます。



年代別の取り組み

0歳から未就学児


乳歯が生えてきたら、歯磨きの習慣をつけるようにして下さい。初めはガーゼや綿棒に水を含ませて歯を拭い、慣れてきたら歯ブラシへ移行するようにして下さい。

保護者様が真剣な顔をして磨こうとすると、表情や雰囲気がお子様に伝わり逆効果ですから、笑顔で優しくマッサージをするように歯磨きをしてあげることが大切になります。

3歳位になるとすべての乳歯(20本)が生え揃う頃と思います。できればお子様に自分で歯を磨く練習をさせてください。そして最後に保護者様が必ず仕上げ磨きをしてください。また3、4歳位になると自分でうがいができるようになるので、フッ素歯磨剤を使用するタイミングとなります。

小学生


6歳頃になると大人の歯が生えてくる時期になります。今までよりもブラシの先が届きにくくなります。歯と歯の間や奥の溝に磨き残しがないか確認してください。磨き残しを赤く染め出すものもありますので、必要に応じてご利用ください。保護者様の仕上げ磨きを卒業するタイミングは小学生低学年を目安にしてみてください。

小学3,4年生あたりになると乳歯が徐々に抜けて永久歯にかわってきます。歯にすきまが空いて歯の矯正がしやすくなるので、相談のタイミングとして乳犬歯が抜ける時を1つの参考にしてみてください。

小学6年生頃には永久歯にすべて置き換わり、新たな7番目の歯が生えてくるお子様も出てきます。永久歯が抜けてしまうと新たな歯は生えてきませんので、歯の大切さを理解して歯磨きをしていただきたいです。

親子で予防歯科


小さな頃から正しく歯を予防し、適切な治療を受けることは、お子様のお口の健康を守るために大切なことです。保護者様も参加することで親子の結びつきも強くなります。定期的に歯科予防をしてみましょう。

中学生から高校生


ある程度自分で考え行動できる時期ですので、むし歯や歯肉炎予防、食事や歯並びに関してのアドバイスを行い、お口の健康状態を保ちます。また、部活動での清涼飲料水について過剰に摂取している場合がありますので、適切な方法をお伝えしています。

大学生以上(成人)

むし歯や歯周病予防がメインとなります。親元を離れ一人暮らしの大学生は、食生活や生活習慣が乱れることがあり、適切に歯磨きや食生活ができているかをお聞きして、改善策をお伝えします。また、20歳前後は親知らずが生える時期となるので、注意事項や磨くポイントをお伝えします。妊婦の方には、妊娠特有の特徴や症状についてお伝えし、出産に際してお口への不安がないようにアドバイス致します。

中高年


むし歯や歯周病がメインとなりますが、歯を残す事に対して気を配らなければなりません。年齢と共に歯肉が下がり、歯と歯の間に食べ物がはさまりやすくなります。その結果歯のすきまや歯根のむし歯になりやすくなるため、歯間ブラシの使用をおすすめします。

予防歯科の基本は、歯が生えはじめた時から歯の健康を考えることにあります。歯を失うと会話や審美的要素、食事の面などで生活の質が下がります。そうならないためにも正しい知識を身につけ、生涯を通じて歯をトラブルから守り、管理する予防歯科が重要となります。






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